ボトックス治療

多汗症の治療法としてボトックスも効果があるといわれています。同じ汗の疾患ですが、ワキガを軽減させることはあっても、完治にはあまり効果がみられません。これは、汗の種類が違うからです。

多汗症の気になる部分にボトックス注射をします。ボトックス治療は、ボツリヌス菌の「神経の末端に結合してアセチルコリンの放出を阻害する」という機能を利用して、筋肉の付随運動を抑えたりする治療で、美容整形で使われていることで有名です。この性質を利用して、ボトックスの注入により発汗を抑制し、汗の量を劇的に減少させるのです。アセチルコリンという伝達物質が交感神経の末端で発汗を促進させています。このアセチルコリンを抑えることで、発汗も抑えられるというしくみです。アセチルコリンに直接働きかけることができるので、劇的に発汗を抑えることができ、かつ効果がでるのが早いのです。

しかし、完治するわけではありません。人によって効果は変わりますが、3ヶ月から1年ほどで効果がなくなるといわれています。効果がなくなると、再治療を受けなければ治療前の状態に戻ります。効果を持続させるためには再治療が必要だということです。ただ、2回目以降は初めてよりも効果が持続することが多く、再治療を続けることで完治するケースもあります。
ただ問題なのは、ボトックスの多汗症治療への使用が認められていないということです。

厚生省の認可がないということは不認可で治療するということです。また、ボトックスの副作用の心配もあります。美容整形での使用でも顔面の筋肉の異常がいわれたり、頭痛やアレルギー反応であるアナフィラキシー反応がでたりと様々な副作用の報告があります。多汗症の治療には、顔面の美容整形で使う量よりも多い量を注入しなければならないため、
より強い副作用が考えられます。

まだわかっていないことが多い治療法であり、効果のでかたや副作用も人によって違うので治療を受ける際には慎重な選択がいります。

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